【イベントリポート】総勢3500名が参加!チャレンジとエールのクロス、「走る」だけではない物語。「うらほろマラソン2023」
10月8日(日)、秋晴れの下、「うらほろマラソン2023」が開催されました。
全国から集まった子どもから大人までのランナー929名が出走し、応援などで訪れた方も合わせると総勢3500名の方が参加しました。
この記事では、大会事務局として運営に関わった地域おこし協力隊の佐々木すみれが、うらほろマラソンの魅力や参加者の生の声を、たっぷりの写真とともにリポートします!
うらほろマラソン2023とは
<開催日>
2023年10月8日(日) ※2022年に初めて開催された、新しい大会です
<会場>
うらほろ森林公園(メイン会場)
<部門>
◎「キッズチャレンジ」(こどものマラソン)
小学1年生~中学3年生が対象
全道からエントリー可能で、408名が参加。学校単位での団体参加もありました。
小学生 1キロまたは2キロ
中学生 2キロまたは4キロ
◎「The Fst(ザ ファスト)in URAHORO」(おとなのマラソン)
高校生以上が対象
東は根室市から、西は岡山県から、521名が参加しました。
ラン 35キロ 15キロ
ウォーク 15キロ 5キロ(どなたでも参加可能)
プロランナーの大迫傑さんが大会公式アンバサダーとしてコース監修をしています!
※こちらからコース紹介の動画を見ることができます。ぜひご覧ください!
<ゴールピクニック>
今年のうらほろマラソンのテーマは「RUN×FOOD」。
走って、食べて、笑って!
浦幌ならではのおいしいものや全国各地の味覚を堪能できるブースが集まりました。
大会は1ヶ月前から始まっている!?「キッズチャレンジ」
キッズチャレンジ(こどものマラソン)は、参加する子どもたちが目標を決めて大会の1ヶ月前からコツコツと走り、大会当日を迎える取り組みです。大会事務局のスタッフや、町内の大人のみなさんが伴走や応援をし、ボランティアとして子どもたちのチャレンジを支えました。
私(佐々木)は、厚内地区の事前取り組みを担当し、子どもたちと一緒に走っていましたが、普段ジョギングする習慣がないため、毎回、ヒーヒー、ハーハー……。
一方で、子どもたちは「今日は何周走る!」とか、「疲れたけどもう一周走る!」などと意気込んで着実にチャレンジを重ねていきました。子どもたちのチャレンジをサポートするはずが逆に励まされながら、1ヶ月間、一緒に走り続けることができました。この「キッズチャレンジ」は、子どもたちだけでなく、大人にとってもチャレンジですね。
浦幌という町で、子どもも大人も一緒になって、未来に向かって新たな一歩を踏み出すきっかけとなると感じました。
1ヵ月のチャレンジを経た大会当日は、たくさんの子どもたちの真剣な表情や楽しそうな表情を見ることができました。その、ほんの一部をご紹介します。
まずは準備体操!人気音楽グループの曲にあわせて、楽しみながらしっかりと体を動かしました。
スタート時間が近づいてくると、「上手く走れるかな?」「お母さん、お父さん、ちゃんと見てるかな〜?」といったような、ちょっぴりそわそわした様子も。
いよいよ、スタート!
前を見つめて、大きく腕を振って、懸命に走ります!
「がんばれー!!」。ご家族の応援にも力が入ります!
ゲストランナーは、北京オリンピック4×100リレー銀メダリストの朝原宣治 さん!子どもたちと一緒に走りました。ちなみに朝原さんは、なんと全てのレースに参加!大会は大盛り上がりでした。
走り終えた子どもたちは、自分で立てた目標や走った内容を書き込む「チャレンジパスポート」に、最後の記入をしました。ちびっ子ランナーの皆さん、ご家族の皆さん、走り抜けた1ヶ月間はどうでしたか?本当にお疲れ様でした!
感じたことのない爽快感!森・山・海を五感で楽しむ「おとなのマラソン」
おとなのマラソンは、今回から新たに35キロランと5キロウォーク(どなたでも参加可能)を新設しました。
35キロランは、浦幌イチの絶景スポット「昆布刈石」を折り返し地点として、みんなが待つうらほろ森林公園に帰ってくるコース。牧場・畑・森林など、浦幌の一次産業の豊かさを感じられます。
5キロウォークは、森林公園の周辺を散策しながら歩き、身近な自然を再発見できるコースです。
たくさんの声援に見送られながら、およそ500人のランナーがスタート!
コース上では、ランナー同士でハイタッチする場面も。辛い時こそ支え合いながら、急な坂や長い坂も乗り越え、チャレンジは続きます。
こちらは15キロウォークに参加の皆さんです。徒歩とはいえ15キロを歩くのは意外に体力が必要!?
浦幌の景色やおしゃべりも楽しみながら、一歩一歩、ゴールを目指します。
15キロランとウォークのフィニッシュ地点は「昆布刈石」。やり抜いた先には絶景が待っていました……!
前回はくもっていたため、残念ながらあまり良い景色を見ることができなかったのですが、今年は見事に晴れて、ご覧のとおり!
35キロランは、昆布刈石を折り返すコースです。
フィニッシュ地点のうらほろ森林公園に帰ってきた最後のランナーを、みんなの拍手で迎えました!
今回のフィニッシュラインは、なんと広場の中央付近という一見大胆な設定!会場全体に一体感が出て、みんなでランナーを応援する雰囲気が生まれていました。
走った人も、歩いた人も、応援した人も!みんなで楽しむ「ゴールピクニック」
爽やかな汗をかいたあとは、お楽しみの「ゴールピクニック」です!浦幌をはじめ全国から「美味しい」「楽しい」が大集合。45の飲食や体験のブースが出店しました。
この日は、浦幌の特産品を使った逸品が特別にふるまわれました。特産の白花豆と生クリームを使用したモンブランに、じゃがいものスープ、地元産のサケやマツダイを使ったフィッシュ&チップスなどが人気でした!
十勝管外の飲食店も多数出店!浦幌ではなかなか食べる機会の少ないメニューもあり、たくさんの方が楽しんでいました。
「足がまだガクガクしている~」。
「あの坂は本当に辛かったなぁ」。
「昆布刈石の景色、綺麗だったね」。
ゴールピクニックの会場からは、レースについてのにぎやかな会話が、いろんなところから聞こえて来ました。
いつだって、誰だって、何度だってチャレンジできる。うらほろマラソンを通して気づく「チャレンジすることの大切さ」
うらほろマラソンに参加した方や、大会を支えた方に、感想などを伺いました。
みなさんのお話から見えてきたのは、うらほろマラソンを通して、ランナーだけでなく、スタッフ、浦幌町が新たなチャレンジをする機会をたくさん得ることができたのではないかということです。去年初めて開催された歴史が浅いマラソン大会ですが、この「マラソンを通したチャレンジ」が、浦幌町の未来の大きな希望に成長していく予感がします。
15キロウォーク参加者 伊場満広さん(町内からの参加)
Q:うらほろマラソンに参加しようと思ったきっかけは何ですか?
A:普段から十勝うらほろ樂舎(うらほろマラソン大会事務局)と関わることが多く、大会に向けて準備している様子を近くで見ていました。「町の若者があんなに頑張ってくれているのに、挑戦しないわけにはいかない!(笑)」と思いチャレンジしました。
Q:実際に参加して、いかがでしたか?
A:ウォークでも15キロ歩くのはやはり疲れますね。翌日以降の畑仕事は大変でした(笑)。「ゴールピクニック」で、自分が作った白花豆がモンブランとして提供されていたのが嬉しかったですね。
35キロラン参加者 佐々木風子さん(町外からの参加)
Q:35キロを走ってみていかがでしたか?
A:まず私は、ハーフまでしか大会で走ったことがなく、走り切れるのか初めはとてもドキドキしていました。事前に観たYouTubeのコース紹介で坂がとても多いことを知っていたので、途中で足が動かなくなったり、膝が痛くならないか心配でした。でも、実際に走ってみると、確かに辛いコースではありますが、変化に富んでいて頑張りがいがあり、とても楽しかったです。フィニッシュでは、ランナーを囲むように皆さんから最後の応援をいただき完走することができたので、すごく嬉しかったです。
Q:初参加とのことですが、来年も出てみたいですか?
A:来年もエントリーします!また浦幌に遊びに来ることを楽しみに、お仕事とランニングを頑張りたいと思います!
エイドステーション ボランティアスタッフ 市岡倫果(のりか)さん
Q:ボランティアスタッフとして参加してみていかがでしたか?
A:まず、ランナーの方を直接応援することができたことが楽しかったです。初対面であるボランティアの方々との交流が沢山できたのもとても嬉しく、やりがいを感じられました。
Q:印象的だったシーンはありますか?
A:走り終えたランナーの方々が、まだ走っているランナーの方々を一生懸命応援している姿です。走ったら終わりというわけではない、スポーツマンシップのすごさを感じました。ランナーの方々、全員が笑顔で帰っていく姿も印象的でした!
うらほろマラソン事務局長 汰木健吾さん
Q:うらほろマラソンを始めようと思ったきっかけは何ですか?
A:きっかけは、こどもたちの想いからです。上浦幌中学校の生徒が地域活性化案の発表会に足を運んだ際に、子どもたちから「浦幌町の魅力を発信したり、発見したりするスポーツイベントをつくりたい」という想いを聞きました。また、マラソンランナーの大迫傑さんにお会いする機会があり、大迫さんの「スポーツを通して地元の素晴らしさを発見できる取り組みを、大都市圏のみならずいろんな地域で行いたい。自分の生まれ育った町の素晴らしさを走りながら感じてほしい」という意志をお伺いしていました。その時、(子どもたちと大迫さんの想いが重なるように感じて)奇跡だなと思うと同時に、この2つの想いを一緒に形にしたいとワクワクしたのを今でも覚えています。
Q:印象的だったことはありますか?
A:子どもたちの表情です。スタートラインに立ったときに緊張している表情、最初飛ばしすぎてバテバテで2周目に行く表情、1kmでエントリーしたのにもう1kmを追加でチャレンジすることを決めたときの表情……。一人一人の表情に物語があって、懸命に取り組み楽しんでいる子どもたちの表情は脳裏に焼き付いています。
(写真下に続きます)
うらほろマラソン事務局長 汰木健吾さん(続き)
Q: 汰木さんが思う、うらほろマラソンの一番の魅力はなんでしょうか?
A:浦幌の魅力を、全身で感じていただけることです。山・海・畑など浦幌らしい景色を感じながらもアップダウンに四苦八苦するおとなのマラソン。単純に当日だけ参加するのではなく、事前から取り組むことで子どもたちに積み上げる楽しさを感じてほしいと想い取り組んでいるキッズチャレンジ(こどものマラソン)。浦幌の農林水産品や飲食店を楽しめるゴールピクニック。手作り感はありますが、ボランティアの皆さんの笑顔とホスピタリティなど、この大会を始めるきっかけとなった「浦幌町の魅力を発信したり、発見したりするスポーツイベントをつくりたい」という想いが魅力であると思っています。
Q:うらほろマラソンを、今後どのような大会にしていきたいですか?
A:一歩一歩、浦幌の魅力を発信できる大会にしていきたいです。私は、浦幌に移住した者で「よそ者」でもあります。でも、そういう立場であるからこそ感じられる「浦幌町の魅力」があります。まだまだ届ききれていない、表現しきれていないことがたくさんあります。その魅力を丁寧に詰め込んだ大会を町の皆さんと一緒に作っていきたいです。
Q:来年度以降、うらほろマラソンにチャレンジしようと思っている方に向けてのメッセージをお願いします。
A:うらほろマラソンにご参加いただいた方から「うらほろマラソンは、走り終わった後にあたたかい気持ちになる」という言葉は私にとっても、一緒につくっている仲間にとっても最高の褒め言葉でした。ランナー、保護者、出店者、ボランティアの皆さん1人ひとりにとって、走るだけでない物語ができるマラソンにしていきたい。そう思いながら丁寧に準備していきますので、ぜひ浦幌町の魅力に触れに来てください。お待ちしてます!
最後に
事前準備から当日まで、多くの方々の協力で無事に開催できた「うらほろマラソン2023」。
私(佐々木)は、うらほろマラソンを通して、浦幌のことをもっと好きになりました。
大会当日に見たゴールに向かってひたむきに走る人の姿。
走り抜けた先に現れた、想像を超えた美しさの昆布刈石の景色。
会場で飛び交い続ける声援の数々……。
全てが私の心を揺さぶり、今でも心にしっかりと残っています。
うらほろマラソンのチャレンジはまだ始まったばかりです。
これからもこの美しい景色を浦幌で見るために、たくさんの方々のお力を借りながら私も自分なりのチャレンジを続けていきます。
ご参加いただいた皆さん、うらほろマラソン2024で、またお会いしましょう!
それまでは、それぞれの場所でkeep trying!